貿易ニュース 12月2007年 

19/12/07 11月の牛の内臓価格が改善
19/12/07 豪産大黄(ルバーブ)の輸出を検討 − タスマニア州
19/12/07 干ばつで輸入ワインが増加する予想
19/12/07 自動車新車販売が依然好調、年間記録に挑戦−ニュージーランド
19/12/07 今シーズン初めて日本向けのチェリーを出荷 − タスマニア州
19/12/07 和牛飼育場が売りに出され、日本と韓国が興味−西オーストラリア州
12/12/07 豪産ワインの輸出額が8%増加し、過去3年間で最大の増加率
12/12/07 遺伝子組み換え(GM)作物禁止を継続 − 西オーストラリア州
12/12/07 11月の豪産牛肉の日本への輸出が12%減少
12/12/07 ペンフォールド社のワインが豪州最優秀輸出賞を獲得
12/12/07 豪州の11月の新車販売が引き続き好調で、年間目標の100万台確実
12/12/07 長期の交渉の結果、初めて豪産マンゴが中国に輸出
05/12/07 マレーシアがヤギ30万頭を輸入 − 西オーストラリア州
05/12/07 タスマニアからの輸出が大幅に増加 − 豪統計局
05/12/07 農業連盟は遺伝子組み換え(GM)作物の解禁を歓迎
05/11/07 オーガニック農家はGM作物解禁に危機感
05/12/07 タスマニア州の世論は遺伝子組み換え(GM)作物禁止継続を支持
05/12/07 NSW州とVIC州が遺伝子組み換え(GM)作物を解禁

                                                                    

12月19日2007年 11月の牛の内臓価格が改善
  豪ドル高が続く中でも、11月の牛の内臓の価格が良くなってきた。 世界的に低価格の鶏内臓の供給が落ちていることで、一部の牛の内臓の需要が高まった。 そのほかの要因としては、オーストラリア産内臓の需要が、主要マーケットにおいてアメリカ産内臓の参入を抑制していることである。 11月には価格が回復しているが、前年同月と比べると価格は下がっていると、業界団体のMeat & Livestock Australia(MLA)は発表している。 11月の日本向けのタンの価格は57¢増えて$14.83/kgとなっているが、前年同月比で$1.52下がっている。  500g以下のミノは10月から12¢上がっているが、前年同月比で$3.59下落し、700g以上のミノは38¢上がったが、前年同月比23¢下がっている。 サガリは10月と比べて9¢、前年同月比で$1.84下がった。 ハラミは10月から2¢上がって$4.46/kgとなったが、前年同月比では $1.72下落している。 韓国向けの価格は安定しており、ホホニクの平均価格は2¢上がって$3.23/kgとなり、テールは20¢高くなって$6.74/kgとなった。 (Source: MLA, 12/12/07 "Beef offal prices improve in November")
12月19日2007年 豪産大黄(ルバーブ)の輸出を検討 − タスマニア州

  タスマニア州北東部にある大黄(ルバーブ)生産者は、国内への供給が海外への輸出につながることを望んでいる。 生産者のジェロッド・ニコルス氏とロッド・ホーカー氏は、毎週10キロ入りカートン2000個を国内のスーパーに卸すことを予定しており、最初の商品は次の冬に出荷される。 ニコルス氏は、「大黄を栽培したのはほんの1年前から試しとして植えたものである。 ビジネス・パートナーのホーカー氏と色々な作物を試してきたが、大黄はうまくいった。 今は国内市場に焦点を当てているが、現在スーパーとより大きな市場について話をしている。 ニュージーランドへの供給も協議しており、規模が大きくなればヨーロッパ市場も検討したい。 季節が逆で、我々の生産のピーク時は、ヨーロッパでの生産が少なくなるときである。 しかし、最初の段階で、毎週国内に2000カートンの供給に力を入れる。 40ヘクタールの畑に植え付けをする予定で、1年以内にフル生産になる」と話した。 (Source: ABC, 13/12/07 "Tasmanian rhubarb takes on the world")

12月19日2007年 干ばつで輸入ワインが増加する予想 

  オーストラリアでの干ばつで、2009年までに輸入ワインが25%まで増えることが予想される。 2年前のワインの供給過剰問題の後、今はバルク・ワイン生産者が国内市場への供給不足で対応に追われている。 オーストラリアのワインの需要と供給の評価では、輸入ワインが3,400万リットルから1億2,800万リットルに増えると予測している。 オーストラリアン ワイン・ブランデー公社のラウリー・スタンフォード氏は、「2年前には我々は今後5年間は供給過剰が続くと思っていたが、今は供給不足となっている。 異常なシーズンである」と話した。 (Source: ABC, 18/12/07 "Wine imports to surge")

12月19日2007年 自動車新車販売が依然好調、年間記録に挑戦−ニュージーランド

  11月のニュージーランドの新車販売が依然好調で年間の記録に近づいている。 11月の乗用車の販売台数が6,723台となり、前年同月比で7%増え、11月としては過去18年間で最多の販売台数となった。 商用車も前年同月と比べて19.7%増えて2,234台となり、1982年以降最多となった。 1-11月の累計では乗用車と商用車を合わせて9万5,204台となり、前年同期比で2.5%上回った。 中古車からマーケットを奪還して以来、今まで最高の販売台数となったのは2005年であるが、今年はそれを上回ることが目標とされてきた。 ニュージーランド自動車産業協会のペリー・ケアーCEOは、「新車販売は引き続き好調を維持している。 これはニュージーランドの経済の状態を反映しているだけでなく、1990年代に人気のあった輸入中古車の影響を排除しようとするマーケットの長期で構造的な変化が現れている。 輸入中古車の時代は終わった」と話した。 11月は、トヨタが乗用車部門と商用車部門ともに第1位の販売台数であるが、フォードは乗用車部門でわずか2台差で2位につけている。 車種別では、1-11月の累計でホールデン”コモドア”がトヨタ”カローラ”を押さえて1位となっている。 しかし、11月だけを見るとフォード"ファルコン”が首位であった。 (Source: MIA, 06/12/07 "Boom times continue in new vehicle market")

12月19日2007年 今シーズン初めて日本向けのチェリーを出荷 − タスマニア州

  今シーズン初めての日本向けのチェリーが今週出荷された。 オーストラリアではタスマニア州だけが日本にチェリーを輸出しており、まだ開拓途中であるが、将来有望な市場になる可能性がある。 過去3年間にいくらかのチェリーがタスマニアから輸出されたが、今年は量が増えることを期待している。 Reid Fruits社のティム・レイド氏は、「今年は日本に少なくとも15トンのチェリーを輸出する予定である。 日本ではチェリーを6-10粒つづトレイに入れて売っている。 100グラム以上で売ることはあまりなく、小売業者は1キロ当たり150豪ドル(約1万5,000)くらいまでで販売している」と話す。 (Source: ABC, 13/12/07 "Tassie cherries for $150 a kilo")

12月19日2007年 和牛飼育場が売りに出され、日本と韓国が興味−西オーストラリア州

  西オーストラリア州ウィートベルト地区北部にある2万7,000ヘクタールの和牛フィードロットの買収に日本と韓国の企業が興味を示している。 Brown Brothers社が所有する”Top Cattle Company”は1万頭の和牛を飼育しており、今回1億ドルで売りに出された。 販売仲介業者John Garland International社のジョン・ガーランド氏は、「海外からの買収の興味が大変高い。 和牛の需要は日本では非常に高い。 このフィードロットの買収の問い合わせは、韓国と日本からがかなり多い」と語った。 (Source: ABC, 12/12/07 "Asian interest in WA waygu property")

12月12日2007年 豪産ワインの輸出額が8%増加し、過去3年間で最大の増加率
  業界団体のオーストラリア ワイン・ブランデー公社(Australian Wine and Brandy Corporation)の発表で、オーストラリア産ワインの輸出額が8%増え、過去3年間で最大の増加率となったことが分かった。 これは世界市場で安価なカスク・ワインより、高価な瓶詰めワイン(特に赤)が好まれていることが反映された結果である。 同じ理由で、輸出量の伸びは鈍化し、過去9年間で最低の増加率となった。 同公社によると、輸出額が2億2,700万ドル増えたが、輸出量は4,400万リットル増えただけで、1998年から最低の増加率となった。 全体的には、オーストラリアは7億9,500万リットルのワインを輸出し、輸出額が30.23億豪ドルとなっている。 最大の輸出先国はUK (輸出量2億8,900万リットル、輸出額9億8,000万豪ドル)で、2位はアメリカ(同2億1,100万リットル、同9億3,800万豪ドル)、カナダ(同5,000万リットル、同2億8,900万豪ドル)は3位となった。 (Source: AAP/Australian, 07/12/07 "Wine exports grow by 8% on pricey reds")
12月12日2007年 遺伝子組み換え(GM)作物禁止を継続 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州のアラン・カーペンター首相は、「我々の遺伝子組み換えカノーラについての方針は、最近発表されたニューサウスウェールズ州やビクトリア州の決定には影響されない」と発表した。 ニューサウスウェールズ州とビクトリア州が遺伝子組み換え操作を行なったカノーラの解禁を発表したことについて、同首相は、「西オーストラリア州の遺伝子組み換え作物についての早期の見直しの要求には応じられない。 我々は、環境に優しく、鉱山資源や農業プロジェクトと大変うまくやってきた『遺伝子組み換え操作なしの作物』の評判を努力して勝ち取ってきた。 私は現在の状況を継続するつもりである」と語った。 (Source: ABC, 05/12/07 "WA won't relax GM ban")

12月12日2007年 11月の豪産牛肉の日本への輸出が12%減少
  オーストラリア農林水産省の調べで、11月のオーストラリア産牛肉の日本への輸出が3万6,230トンで前年同月比で12%減となり、今年に入って11月までの累計でも35万0,724トンとなり、前年同期比で5%減っていることが分かった。 11月の冷蔵牛肉が前年同月比で22%減って1万6,423トンとなり、冷凍牛肉も3%減って1万9,807トンとなった。 グレインフェッド牛肉は17%減って1万4,869トンとなり、グラスフェッド牛肉も9%減って2万1,361トンとなった。 今年の日本へのオーストラリア産牛肉は、豪ドル高(US$に対し17%上昇)、穀物価格の上昇、日本での消費低迷に大きく影響を受けた。 それに加えて、日本へのアメリカ産牛肉の輸出はまだ限定的であるが、日本でのアメリカ産牛肉の存在感は、一部の部位でオーストラリア産牛肉の価格や輸出量に影響を与えている。 今年に入って11月までの累計では、冷凍グラスフェッド牛肉が前年同期より4%増えて13万3,142トンとなり、冷蔵グラスフェッド牛肉は逆に14%減って5万8,301トンとなった。 また、冷凍グレインフェッド牛肉が前年同期より8%減って4万4,676トンとなり、冷蔵グレインフェッド牛肉も9%減って11万4,604トンとなった。 (Source: MLA, 06/12/07 "Beef exports to Japan down 12% in November")
12月12日2007年 ペンフォールド社のワインが豪州最優秀輸出賞を獲得

  ペンフォールド社の「2004 Bin 707 カベルネ・ソーヴィニヨン」がオーストラリア ワイン・ブランデー公社が主催するオーストラリア最優秀輸出ワインに選らばれた。 「George Mackey Memorial Trophy」と呼ばれるこの賞は、同公社が最も優れた輸出ワインと判断したワインに贈られる。 ペンフォールド社は、2005/06年度の「2003 RWT Barossa Valley shiraz」に続き、今回の2006/07年度もこの賞を獲得した。 1990/91年度に初めて受賞して以来、今回初めて2年連続の獲得であった。 同社の主任赤ワイン・メーカーのスティーブ・リナート氏は、「今回のトロフィー(賞)は、南オーストラリア州のワイナリーにとって大変重要である。 我々ワイナリーは、生産する3本に2本は輸出している。 何千本のオーストラリア産ワインから我々のワインが選ればれたのは驚きである」と話した。 「2004 Bin 707 カベルネ・ソーヴィニヨン」は、小売価格で約85ドル(約8,500円)で販売されており、ペンフォールド社がバロッサバレーに所有する、1880年に植え付けが始まった「Kalimna Block 42」のブドウ畑で収穫したブドウを使用している。 今回1万8,000本が参加したワインの中から最優秀賞に輝いた。 「George Mackey Memorial Trophy」は、オーストラリア ワイン・ブランデー公社の元会長のジョージ・マッキー氏の名前に由来する。 今回の賞を受賞するには、当該年度に少なくとも1,800リットルを輸出されていることが条件となっている。 (Source: AAP, 05/12/07 "Penfolds wins best export wine trophy")

12月12日2007年 豪州の11月の新車販売が引き続き好調で、年間目標の100万台確実
  引き続き11月の新車販売が好調で、オーストラリアの自動車の新車販売台数が初めて年間100万台を記録する勢いである。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が今日発表した統計によると、11月の乗用車、トラック、バスを含めた新車販売台数が9万2,081台となり、前年同月比で8,784台(10.5%)増加した。 今年に入っての1-11月の累計では96万3,732台となり、前年同期と比べて、7万8,129台(8.8%)増えている。 FCAIのアンドリュウ・マックケラーCEOは、「消費者は新車の購買に際し、11月の金利上昇や連邦政府の総選挙にはほとんど影響しなかった。 そして、各メーカーの価格競争や豪ドル高により消費者も新車が買いやすくなっている。 FCAIは今年の新車販売予想を100万台としているが、この予想は十分クリアー出来ると思う」と語った。 今までのオーストラリアの新車販売台の記録は、2005年の98万8,269台であった。 11月の好調のおもな要因は、小型車が1,605台(9.0%)、軽自動車が1,555台(15.4%)、中型SUV(スポーツ多目的車)が1,401台(26.3%)とそれぞれ増えたことによる。  11月のメーカー別ではトヨタが最も多く販売し2万0,956台、2位はホールデンの1万2,498台、フォードは9,219台で3位であった。 (Source: FCAI , 06/12/07 "Car market charges towards million mark")
12月12日2007年 長期の交渉の結果、初めて豪産マンゴが中国に輸出

  中国の検疫当局が初めてオーストラリア産マンゴの輸入を認め、オーストラリア産農作物のアジアへの更なる輸出の道を開くことになった。 クイーンズランド州政府の第一次産業省(DPI)によると、西オーストラリア州クヌヌラ地区にある農家のマンゴと、クイーンズランド州の農家が所有する北部準州キャサリン地区のマンゴが中国の上海に初めて到着し、中国の輸入検疫検査に合格した。 今回の輸出プログラムは、マンゴ生産者、連邦政府、第一次産業省が6ヶ月かけて交渉を行なってきた。 クヌヌラ地区にある農家は、中国に今後も輸出を行なうために、現在マンゴの収穫作業を行なっている。 第一次産業省のスコット・レジャー氏は、「11月から3月にかけてが、中国へ輸出するオーストラリア産マンゴのシーズンで、ちょうどクリスマスやチャイニーズ・ニューイヤーの贈り物の需要がある。 中国の検疫当局は、登録された農場で収穫し、出荷まえに蒸熱燻蒸で処理され、害虫がいない証明書を添付されたマンゴについては輸入を許可する。 今回、中国との交渉で学んだ教訓は、ほかの農作物が中国や、韓国、マレーシア、日本、シンガポール、タイなどの重要なマーケットへ輸出することにも応用できる」と語った。 (Source: AAP, 06/12/07 "China to receive Aussie mangoes")

12月05日2007年 マレーシアがヤギ30万頭を輸入 − 西オーストラリア州

  マレーシアのヤギのバイヤーと加工業者が今週、西オーストラリア州を訪れ、双方のサプライ・チェーンの改善や安定的な供給と需要について協議した。 マレーシア政府は、自国の家畜産業が自給自足が出来るように、オーストラリアから30万頭以上のヤギの輸入を望んでいる。 オーストラリアは現在、南東アジア諸国に2万5,000頭の生体ヤギを輸出している。 西オーストラリア州政府の農業・食品省のティム・ジョンソン氏は、「西オーストラリア州のヤギ生産者、加工業者、輸送業者、農業省の代表者で委員会を設置した。 マレーシア政府は以前、オーストラリアからのヤギの輸送が適切な時期に行なわれていないことや、必要な頭数が確保されていないことを指摘していた。 彼らは長期的な計画の開発や、その計画をヤギ生産者に伝える必要があるとしている」と話した。 マレーシアの家畜サービス省のChe Embong Ibrahim獣医は、「マレーシアの代表者たちは、西オーストラリア州のヤギの放牧場の質の高さに感銘している。 我々はマレーシアで2015年までにヤギの頭数を増やすことを計画しているが、時間が余りない。 だから、西オーストラリア州から繁殖用のヤギを輸入することを望んでおり、また同時に、ヤギ肉の輸入も計画している」と語った。 (Source: ABC, 03/12/07 "Malaysians want 300,000 WA goats")

12月05日2007年 タスマニアからの輸出が大幅に増加 − 豪統計局

  タスマニア州の輸出の伸びが全国より上回っていることが分かった。 オーストラリア統計局(ABS)が最近発表した統計によると、タスマニア州からの商品輸出額が17.7%増えて35億豪ドルとなった。 オーストラリア全国の商品輸出の伸び率が3.6%であるのに比べると、大幅な増加となっている。 日本がタスマニア州にとって世界最大の輸出先国で、タスマニア州の輸出商品の約5分の1が日本に送られている。 (Source: ABC, 04/12/07 "Tasmanian exports excel")

12月05日2007年 農業連盟は遺伝子組み換え(GM)作物の解禁を歓迎

  遺伝子組み換え(GM)操作を行なったカノーラの解禁で、今後の遺伝子組み換え(GM)作物の許可についての経済効果の議論が再熱することになった。 ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の農業連盟(Farmers Federation)は、今回の解禁を歓迎している。 ヒュー・デラフンティー国民党議員は、「農家が来年遺伝子組み換え(GM)作物を植えつけることに期待している。 なぜなら、カノーラの生産量が落ちている原因が2つある。 ひとつはあきらかに干ばつ。 そしてその次は、我々は世界の競争相手に対して競争力がない」と指摘している。 一方、GM作物栽培に反対する生産者団体「NCF(Network of Concerned Farmers)」のジェフリー・カーランチャー氏は、「ビクトリア州政府が主張している『解禁で経済が浮揚する』ことには納得がいかない。 今後農家の収入は落ちてくる。 カナダでは、オーストラリア産のカノーラが国内産より1トン当たり70豪ドルも高く売れている」と反論する。 ニューササウスウェールズ州政府は、今回の解禁で農家が世界の生産者たちと同じ舞台に立てるとしている。 (Source: ABC, 28/11/07 "GM ban lift sparks economic debate")

12月05日2007年 オーガニック農家はGM作物解禁に危機感
  オーガニック農業界は、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州が遺伝子組み換え(GM)作物を許可したことで、南オーストラリア州での遺伝子組み換え(GM)作物の反対をする気勢が削がれたとしている。 農業連盟(Farmers Federation)の穀物カウンシルは、南オーストラリア州政府に対し、ほかの州に追従して、来年遺伝子組み換え(GM)作物の解禁を要請している。 南オーストラリア州中北部のオーガニック農家のギャビン・ダン氏は、「もし解禁になれば、南オーストラリア州のオーガニック食品産業は崩壊してしまうかもしれない。 遺伝子組み換え(GM)作物からの二次汚染がオーガニック農業界の利益と将来に大きく影響することになる。 オーガニック農業界は、遺伝子組み換え(GM)作物の決定に対して影響力を示すには小さすぎる。 これはまさに強い業界が勝っていく現実で、非常に懸念している」と話した。 環境保護団体の「グリーンピース」は、3,000人の署名が入ったはがきを南オーストラリア州議会に送り、遺伝子組み換え(GM)作物禁止の継続を求めている。 現在の南オーストラリア州遺伝子組み換え(GM)作物の禁止措置は来年4月に終わり、その後ニューサウスウェールズ州とビクトリア州は遺伝子組み換え(GM)操作を行なったカノーラの生産を許可する。 「グリーンピース」のサイモン・ジョーンズ氏は、「遺伝子組み換え(GM)作物の危険性はまだ十分結論付けられていない。 まだ多くのことが分かっていない。 しかし、遺伝子組み換え(GM)操作を行なったカノーラには重大な問題があるとの初期的な証拠がある。 遺伝子組み換え(GM)操作を行なったカノーラを与えられたねずみや人への健康障害がある」と語った。 (Source: ABC, 29/11/07 "Organic farmers worried about GM threat")
12月05日2007年 タスマニア州の世論は遺伝子組み換え(GM)作物禁止継続を支持

  タスマニア州政府は、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州が遺伝子操作をしたカノーラを解禁したことによって、タスマニア州の遺伝子組み換え作物の禁止の継続が困難になってきたとしている。 これは、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州が今回の解禁によって、農家に世界の生産者と対抗できるようにするとしているからである。 タスマニア州政府は現在、遺伝子組み換え作物の禁止についての見直しをしているが、デビット・リュウェリン第一次産業相は、「タスマニア州の人たちの圧倒的な意見は、禁止は継続するべきであるとしている。 消費者、食品製造者、一部の農家、そして我々の販売マーケット(特に日本)は、遺伝子組み換え作物の禁止の継続を希望し、解禁すべきでないとしている」と話した。 (Source: ABC, 27/11/07 "Tasmanian markets want GM ban to stay: Minister")

12月05日2007年 NSW州とVIC州が遺伝子組み換え(GM)作物を解禁

  ニューサウスウェールズ州とビクトリア州が、オーストラリアで初めて、遺伝子組み換え(GM)操作を行なった作物の生産を許可した。 ニューサウスウェールズ州政府のイアン・マクドナルド第一次産業相は、「西オーストラリア州とタスマニア州は遺伝子組み換え作物の禁止を引き続き要請しているが、ニューサウスウェールズ州はこの4年間の遺伝子組み換え(GM)操作をしたカノーラ(西洋アブラナの一変種)の作付けの禁止措置を解除する。 世界のカノーラ市場の70%はGM操作したカノーラで占められており、今回の解禁でニューサウスウェールズ州の農家が世界に対抗することができる」と発表した。 ビクトリア州政府のジョン・ブランビー首相も、経済効果が大きいとして今回の動きに賛同し、農家の人たちに、「あなた方は、競争力を持つ必要があり、また最大限の収入を得る必要がる」と語った。 マクドナルド第一次産業相は、「農家の人たちは、GM操作したカノーラを作付けする前に当局から許可を取る必要がある。 この問題は、いろいろな関係者の関心や懸念があるので、注意していかなければならない。 GM操作したカノーラは、GM操作していないカノーラと分離しなければならない」と語った。 しかし、オーガニック業界の団体であるBiological Farmers Australiaのスコット・キンニアー理事は、分離する効果には疑問があり、GM操作したカノーラの種が風で、GM操作していないカノーラの畑に飛んでいく」と反論する。 また、同相が、「厳格なラベルの表示規則で、みんなが何を食べているのかを判別できる。そして、GM操作したカノーラの栽培は環境への影響にもよく、殺虫剤の削減につながる」と発言したのに対し、ニューサウスウェールズ州の”緑の党”のイアン・コーヘン議員は強く反発し、「我々は今、新しい”農業生産”と”農産物の消費”の局面に向かっている。 もしそれがうまくいかなければ、後戻りするのが大変困難になる」と非難した。 ビクトリア州政府は、遺伝子組み換え作物が人の健康や環境に大きな問題がないことを確認してから、解禁を決定したとしている。 マクドナルド第一次産業相は、「今回の州政府の決定は、イアン・アームストロング前国民党党首が中心となった調査のあと行なった。 調査パネルには、1,375件の提案書が寄せられ、GM操作した農産物の貿易への影響やマーケティングも含めた問題について30件以上の聞き取りも行った。 今回の見直しで、農家と消費者が選択する機会が増えたことになる」と声明で語った。 (Source: ABC, 27/11/07 "NSW, Vic lift GM bans in landmark moves")